日々起案

田舎で働く弁護士が、考えたことや気になったことを書いています。

FAXで時効援用通知

時効主張の方法については以前にも書きましたが、その時は内容証明郵便を送るという方法でした。

しかし、時効援用の方法には特に限定があるわけではなく、実際、電話での時効援用を認めてくれた業者もあります。内容証明郵便を使うのは、単に証拠が確実に残るからに過ぎません(電話で時効援用した業者については、時効を認める旨の書面と契約書原本を送付してもらいました)。

したがって、FAXや電子メールでの時効援用も十分可能と言えます。電子メールは、そもそも消費者金融等の業者が電子メールでの連絡を受け付けていないので、実際に検討すべきはFAXになるでしょう。

FAXは自分側の機械にも送信記録が残りますが、それだけでは不安です。そこで、時効援用通知の下に、「受領書」欄も付けてFAXをすることが考えられます。

受領しました、という文面に担当者の署名なり押印なりをもらって、FAXを返信してもらうようにすれば、受け取ったFAXが十分な証拠になります。内容証明郵便にかかる手間とお金を考えれば、遥かに簡単です。

問題点は2つ。

  1. 自力で時効援用する場合、業者が受領後に返信FAXしてくれるか怪しい
  2. 自力で時効援用する場合、そもそも自前のFAXがなく、返信先を受け取れない可能性がある

弁護士であればこれらの問題はあまり考えられないので、FAXで良いのではないか、とも思うのですが、やはりFAX書面より内容証明の方が確実性が高いので、安全策で内容証明郵便を使ってしまいます。

自分の家にFAX機があり、内容証明郵便を出すのが面倒と思う方は、FAXで時効援用してみるのも一つの手ではないでしょうか。