日々起案

田舎で働く弁護士が、考えたことや気になったことを書いています。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

刑法事例演習教材04「黄色点滅信号」

受験生時代に作成した、刑法事例演習教材(初版)設問の回答例。 1 甲は、自己の運転中の事故によりBを死亡させているから、自動車運転過失致死罪(刑法(以下同法名省略)211条2項)の罪責を負わないか。以下検討する。 2 構成要件該当性 (1) 甲は、自己の…

刑法事例演習教材03「ヒモ生活の果てに」

受験生時代に作成した、刑法事例演習教材(初版)設問03の回答例。 甲の罪責 第1 傷害罪(204条) 1 甲はBを殴打し脳内出血等を負わせているため、傷害罪が成立しないか。 2 構成要件該当性 「傷害」とは、不法な有形力の行使等により人の生理的機能に不良な…

司法試験の勉強:行政法

行政法はとにかく法律解釈なのですが、判例によって確立されている規範は、そのまま表現しなければなりません。特に、処分性や原告適格の判例は、一字一句そのまま暗記し、書き出すことが必須です。その他、重要論点については、キーワードを問題に合わせて…

FAXで時効援用通知

時効主張の方法については以前にも書きましたが、その時は内容証明郵便を送るという方法でした。しかし、時効援用の方法には特に限定があるわけではなく、実際、電話での時効援用を認めてくれた業者もあります。内容証明郵便を使うのは、単に証拠が確実に残…

刑法事例演習教材02「D子は見ていた」

受験生時代に作成した、刑法事例演習教材(初版)設問02の回答例。 第1 Aの財布を持ち去った行為について 1 窃盗罪の成否 (1) 甲は、Aの財布を無断で持ち去っているから、Aに対する窃盗罪(刑法(以下法令名省略)235条)が成立しないか。 (2) Aに対する占有…

司法試験の勉強:刑法は暗記が7割

何を暗記するのか 答案の基本的な流れ(アウトライン)は、以下のとおりです。 罪名(条文)の特定 構成要件該当性(因果関係含む) 故意・過失 違法性・責任阻却事由 共犯論 罪数 罪名の特定と罪数以外は、基本的に全て「規範→あてはめ」の論証パターン吐き…

刑法事例演習教材01「ボンネット上の酔っぱらい」

受験生時代に作成した、刑法事例演習教材(初版)設問01の回答例。 Aに対する罪責 第1 Aの顔面を殴打した行為について 1 甲は、Aの顔面を手拳で軽く1回殴打しているから、暴行罪(刑法208条、以下条文のみ示す)の罪責を負わないか。 2 構成要件該当性 「暴…