日々起案

田舎で働く弁護士が、考えたことや気になったことを書いています。

事務職員能力認定試験

事務職員能力認定試験 第12回解説(問54~60)

54 正)民事訴訟は「訴状を裁判所に提出してしなければならない」(民訴法133条1項)、刑事訴訟は「起訴状を提出してこれをしなければならない」(刑訴法256条1項)。 誤)民事訴訟でも、裁判所が不要と判断すれば証拠採用されない(民訴法181条1項)。刑事…

事務職員能力認定試験 第12回解説(問46~53)

46 グレーゾーン金利とは、利息制限法の上限金利を超え、旧出資法の上限金利を超えない範囲の金利のこと。旧貸金業法では、一定の要件を満たせばグレーゾーン金利の弁済も有効な弁済とされていたため、事実上利息制限法の上限を超える金利での貸付が横行して…

事務職員能力認定試験 第12回解説(問39~45)

39 相続人の順序は、①子、②直系尊属、③兄弟姉妹であり、配偶者はこれらと並んで常に相続人となる(民法887条1項、889条1項)。本問では、配偶者と①がなく、唯一の②が相続放棄したため、③の範囲に含まれる者が法定相続人となる。Dは単純な兄弟姉妹であるから…

事務職員能力認定試験 第12回解説(問31~38)

31 正)家事事件手続法244条。家事事件のうち、別表第二の事件は、当事者同士の紛争性が高いことから、話し合いによる解決が期待され、調停の対象事件にもなっている。 誤)家事審判に当然に移行するのは、家事事件手続法別表第二の事件のみ(家事事件手続法…

事務職員能力認定試験 第12回解説(問23~30)

23 戸籍の届出には、以下の2種類がある。 ①創設的届出 その届出により一定の身分関係や法律効果を発生させる届出 ②報告的届出 既に生じている身分関係や法律効果について、戸籍に反映するために行う届出 法律上の婚姻は、戸籍法上の届出によってその効力を生…

事務職員能力認定試験 第12回解説(問11~22)

11 民事保全の手続は、勝訴した場合に備えて相手の財産や自分の地位を確保しておくための手続。大きく分けて以下の3種類(民事保全法1条)。 ①仮差押え 金銭の支払いを求める場合に、執行の対象となる財産の処分を制限する手続。差押えの対象によって、不動…

事務職員能力認定試験 第12回解説(問1~10)

1 正)民訴規則18条で準用される15条は、「訴訟行為をするのに必要な授権は、書面で証明しなければならない」としている。したがって、法人の場合は代表権を示す書面(資格証明書)が必要。提訴時点での代表者が分かればいいので、代表者事項証明書でもいい…

事務職員能力認定試験 第11回解説(問57~60)

57 正)民事では,原則として「判決の言渡しは、判決書の原本に基づいてする」(民訴252条)。刑事では特にそのような規定はない。 正)民事では,判決正本を当事者に送達する(民訴255条1項,2項)。刑事では特にそのような規定はない。 誤)民事の判決は,…

事務職員能力認定試験 第11回解説(問53~56)

53 ×)住宅に住宅ローン債権以外の担保権が付いている場合,又は共同担保不動産に後順位担保権が付いている場合は,住宅資金特別条項を定めることができない(再生198条1項但書)。すなわち,①住宅には住宅ローンのためにしか抵当権を付けてはいけない,②敷…

事務職員能力認定試験 第11回解説(問49~52)

49 誤)居住地を離れるには,裁判所の許可が必要(破37条1項)。管財人の許可ではない。住民票の移動にまで許可が必要かどうかは不明。 正)裁判所が必要と認めるときは,郵便物が転送される(破81条1項)。実務上,管財事件では原則として転送される。 正)…

事務職員能力認定試験 第11回解説(問45~48)

45 正)民853条1項。 正)後見は,正常な判断が困難な者の法律行為について代理・取消等を行い,本人を保護する制度。事実行為は事務に含まれない。 正)委任規定の準用(民869条,644条)により善管注意義務を負う。 誤)成年後見人は,常に成年被後見人宛…

事務職員能力認定試験 第11回解説(問41~44)

41 誤)相続放棄の管轄は,被相続人の最終住所地(家手201条1項,民883条)。 正)放棄できる期間が,相続があったことを知ってから原則3か月(熟慮期間,民915条)である点は正しい。ただ,相続財産の調査が困難で,相続財産が全くないと信じていた場合など…

事務職員能力認定試験 第11回解説(問37~40)

37 誤)人事訴訟も原則は公開。尋問に限り,裁判所は非公開とする決定ができる(人訴22条1項)。その場合は,あらかじめ当事者等の意見を聴かなければならない(同条2項)。 正)裁判所は,必要と認めるときは参与員や検察官を立ち会わせて意見を聴くことが…

事務職員能力認定試験 第11回解説(問33~36)

33 手続代理人の基本権限は以下のとおり(家手24条1項)。 参加 強制執行及び保全処分に関する行為 弁済の受領 以下の事項は,特別の委任が必要(同条2項)。 申立て・取下げ 調停成立・合意に相当する審判の合意,調停条項案の書面による受諾,調停に代わる…

事務職員能力認定試験 第11回解説(問29~32)

29 誤)一部事項を除いて,変更登記は2週間以内にしなければならない(会社法915条1項)。罰則(過料,会社法976条1号)あり。善意の第三者に対抗できない可能性がある点は正しい。 正)12年以上(株式会社の場合)登記に動きがないと,官報公告後2か月で解…

事務職員能力認定試験 第11回解説(問25~28)

25 正)戸籍は夫婦+子の2代まで。娘とその子の戸籍は別に作る必要がある。なお,旧戸籍は戸主+親族で何世代も含まれていた。 正)戸籍法の改正等で戸籍の形式が変更になる場合,それまでの戸籍を新しい形式に移し,古いものは閉鎖する。この古い形式の戸籍を…

事務職員能力認定試験 第11回解説(問21~24)

21 配当を受ける債権者 ①差押債権者(民執89条1項1号) ②配当要求・交付要求をした債権者(同項2号) ③差押えの登記前に登記をした仮差押債権者(同項3号) ④差押えの登記前に登記をした担保権者(同項4号) 配当要求できる債権者(上記②) ア)執行力のある…

事務職員能力認定試験 第11回解説(問17~20)

17 1は図の「非金銭執行>意思表示の擬制」に該当する。 18 執行文の種類(便宜上の分け方) ①単純執行文:単純な給付を求める内容で,証明が必要な条件・期限がない場合 ②条件成就執行文:一定の条件・期限の到来が必要な場合 ③承継執行文:債務名義(判決等…

事務職員能力認定試験 第11回解説(問13~16)

13 不動産の仮差押,不動産の処分禁止の仮処分は,登記による。登記さえしておけば,その後に出てきた第三者の権利に優先することができる。 →1,3は正しい ※ただし,不動産の仮差押は「強制管理」というものもある。動産の仮差押,動産・不動産の占有移転禁…

事務職員能力認定試験 第11回解説(問9~12)

問9 正)「支払督促の申立ては,…簡易裁判所の書記官に対してする」(民訴383条1項)。そして,「裁判所書記官は,債権者の申立てにより,支払督促を発することができる」(民訴382条)。 正)「適法な督促異議の申立てがあったときは,…訴えの提起があった…

事務職員能力認定試験 第11回解説(問5~8)

問5 〇)送達場所は,原則として当事者の「住所,居所,営業所又は事業所」(民訴法103条1項)。法人の場合は,代表者が送達を受けるべき者になり(民訴法37条,102条1項),営業所と代表者の住居所のいずれも送達場所となる。 〇)住居所等が不明か,送達に…

事務職員能力認定試験 第11回解説(問1~4)

問1 訴状には,当事者の記載が必要(民訴法133条2項1号)。当事者の記載とは,その人物を特定するために必要な情報。通常は氏名と住所を記載し,住所不明なら居所,居所も不明なら住居所不明とする。 住所=「生活の本拠」(民法22条) 居所=生活の本拠ではな…