日々起案

田舎で働く弁護士が、考えたことや気になったことを書いています。

2017-01-01から1年間の記事一覧

リボ払いの恐怖

クレジットカードの支払い形式として、リボルビング払い(リボ払い)というものがあります。リボ払いは、利用額のうち一定の金額のみを支払っていくというものです。たとえば、毎月10,000円と設定してあれば、前月の利用額合計が100,000円であっても、10,000…

司法試験の勉強:国際私法

国際私法は、将来的に全く役に立たないので、正直あまり選択科目に選ぶのはおすすめできません。しかし、試験合格のことだけを考えるなら、かなり省力化できる科目ではあるので、リソースが不足気味の受験生には正解とも言えます。覚えるべき判例がほとんど…

2018年の卓上カレンダーを購入

2018年用の卓上カレンダーを買いました。学生時代は、書き込み欄の大きい壁掛けカレンダーを使っていました。しかし、予定管理を完全に手帳で行うようになってからは、カレンダーは「日付を確認する」というシンプルな目的のためにのみ使うようになりました…

祝日の意味と由来

次の天皇の即位日(2019年5月1日)が祝日になったら、祝日法(国民の祝日に関する法律)の規定で前後の日も休日になる、超大型連休になるということで、ちょっとした話題になっています。祝日法の規定は確かにそのとおりなわけですが、そもそも即位日って祝…

司法試験の勉強:憲法

憲法は、最高裁判決があればその規範を示すことが絶対不可欠です。当てはめも規範あってこそ。参考として、受験生時代に私が暗記するためにまとめた規範集を晒しておきます。カギ括弧部分は判例抜き出しです。

司法試験の勉強:刑法

「暗記じゃない、事実と評価と当てはめだ!」とよく言われますが、筆記試験なんてものはどんな試験でも多かれ少なかれ暗記が前提です。特に刑法は、やたらと論点が多く、圧縮して書いていかないと書きたいことが書き切れません。定義や基本論証は暗記して吐…

弁護士用「やさしい日本語」マニュアルはないのか?

最近、「やさしい日本語」という技術・コンセプトが注目されているようです。無理に英語などを使うのではなく、日本語の中で簡単な言葉・表現に置き換えることで、外国人に理解しやすくするというものです。外国語を覚えるよりも遥かに学習コストが安いうえ…

最強の敵は依頼者

刑事でも民事でも言えることですが、案件が難しい、厄介であるということは、実はそこまで辛くありません。面倒で大変だとしても、結局はやれるだけのことをやるしかないし、とりあえずやりがいはあります。しかし、依頼者が厄介な人だと、これはもう本当に…

接見禁止はぜひとも解除

被疑者・被告人に接見禁止が付いていることはよくあります。薬物事犯や、共犯事件なんかだとかなりの確率で付いています。この接見禁止は、ぜひとも早期に解除しておくべきです。もちろん被疑者・被告人のためというのもありますが、何より弁護人にとって非…

抵当権者不明土地(休眠担保権の抹消登記)

登記の放置により、所有者不明の土地が増えていることが問題とされているようです。これと少し似た問題として、親から相続した土地に抵当権が設定されており、あまりに古い抵当権のために抵当権者が誰だか分からないという問題があります*1。所有者不明土地…

交通事故被害者がやってはいけない対応

交通事故に遭ったとき、対応を間違えると適切な損害賠償を受けられない可能性が高まります。以下、被害者がやってしまいがちな間違いを挙げていきます。 警察に物損事故で届け出る 加害者側に頼み込まれ、人損なのに物損で届け出てしまうパターン。物損だと…

交通事故は主婦の方がお得

交通事故の損害賠償の内訳には、休業損害(略して「休損」)というものがあります。読んで字のごとく、事故のせいで仕事を休むことになった場合に、休んで減った分の収入のことです。休損には、色々と難しい問題もあるのですが、日頃から奇妙に感じているの…

修習生伝統の起案対策マニュアル

司法修習生の間では、過去問やその優秀答案、起案対策マニュアルなどが受け継がれてきています。毎年無秩序に累積しているので、数GBもの容量となっています。私も、そうしたデータは入手し、目を通しました。しかし、はっきり言ってこれらはあまり役に立ち…

弁護士の手帳

1月始まりの手帳が店頭に並ぶ季節になりました。弁護士は、相談にしろ裁判にしろ、外部の都合に合わせてスケジュールを決めることが多いので、予定把握のために手帳が必須となります。 弁護士専用手帳 弁護士用に作られている手帳としては、「訟廷日誌」と「…

労組と非弁

「残業代バブル」って本当にあるの? - 刑裁サイ太のゴ3ネタブログ この記事を見ていて思い出したのですが、『ガイアの夜明け』という番組で、外国人実習生の賃金未払い問題を取り上げた回があります。そこで紹介された事例では、「岐阜一般労働組合の甄凱…

赤本青本緑本

交通事故案件では、弁護士が必ずと言って良いほど参照する資料があります。「赤い本」「青本」「別冊判タ38」の3冊です。簡単に言うと、それぞれ、損害賠償額算定の基準、その詳細や例外の解説、過失割合の基準をまとめたものです。 赤い本 正式名称『民事交…

司法修習の準備

合格発表直後 9月12日に2017年司法試験の合格発表が行われました。自分の時を思い出してみると、合格発表後の数日はかなり忙しかったように思います。 最高裁判所に行って司法修習申請書類を受領 法務局へ行って登記されていないことの証明書を取得 市役所へ…

予備試験ルートの合格率

9月12日に、平成29年司法試験結果が出ました。統計によると、予備試験ルートでの受験生は、合格率が72.5%と抜きん出て高く、これをどう見るかということが問題にされることもあります。しかし、これは若干数字のマジックなところがあります。確かに、予備試…

はじめてのせっけん

国選事件などで接見する場合の、窓口での手続の流れをまとめました。これで初めて接見するときも怖くありません。 留置場所に電話をかけましょう 日中の場合は、取調べが行われている可能性があります(特に被疑者段階)。警察の取調べの場合は、中断して接…

裁判員裁判の弁論に演出は必要か?

一部の本では、裁判員裁判での最終弁論について、「裁判員に語りかける」とか「法廷中央に歩み出てペーパーレスで行う」といったやり方を推奨しています。これは、裁判員に「傾聴させる」「理解させる」ためのテクニックとして有用であるという趣旨です。し…

『刑事弁護ビギナーズver.2』

刑事弁護ビギナーズver.2出版社/メーカー: 現代人文社発売日: 2014/09/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る弁護士必携の一冊。多分、刑事弁護を扱う事務所なら必ず置いてあります。司法修習時代には、必携と言われてもピンときませんでした…

弁護士になるためのルート

流れ図 弁護士になるまでの過程を、ざっくり図にしてみました。なお、以下の図や説明は全て2017年現在の状況についての話です。 受験資格を得るまで 弁護士(又は裁判官、検察官)になるには、司法試験に合格しなければなりませんが、その司法試験を受験する…

無理なら無理と言った方が満足度が高い

どう考えても無理筋だったり、勝てることは勝てるけど絶対に費用倒れになるであろう相談というのは、よくあります。こういう相談が来た時は、はっきり「無理です」「やるだけ損です」と言ってしまわないといけません(もちろん言葉は選びますが)。半端に希…

良い弁護士の見分け方

どこの弁護士に頼めば良いのか?これは、かなりの難問です。 結論 結論から言ってしまうと、「自分と相性の良い弁護士が最良」です。事務所の規模とか、弁護士の年齢、性別、そういうのは直接には関係ありません。弁護士に頼むというのは、契約をしたら後は…

法律家は「正しい日本語」を使う(べき)

日本語は、法律家にとって最も重要な商売道具です。裁判官や検察官は、漢字の使い方や送り仮名の使い方についても、公用文作成要領に従うよう努めています。司法修習の際には、その厳密さに驚きました。弁護士はそこまで厳格ではありませんが、それでもかな…

刑事弁護は私選と国選どっちがいいか?

当番弁護*1で接見に行くと、たまに聞かれます。 「金はあるから、私選であんたにお願いしても良いんだけど、国選とどっちがいいと思う?」 答えは人それぞれだと思いますが、私の場合は、大抵こう答えています。 「私選だから一生懸命やって、国選だから適当…

『若手弁護士のための初動対応の実務』

若手弁護士のための 初動対応の実務 Initial Response of Practice for Young Lawyer作者: 長?佑志出版社/メーカー: レクシスネクシス・ジャパン発売日: 2016/04/15メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る一般民事で案件の多い、交通事…

大体いつもノーネクタイ

最近はクールビズが浸透し、夏は半袖ワイシャツ(もちろんノータイ)が普通になってきましたが、私は、ジャケットを着る季節でも、割とノーネクタイです。ネクタイは、寒い日のマフラー代わりみたいになっています。客層や考え方の違いで様々だとは思います…

革靴

弁護士に限らず、革靴は様々な職業の人にとって仕事道具の一つでしょう。しかし、それらにどこまでこだわるか?ということになると、十人十色です。私の場合、「あまりこだわらないけど、さすがに合皮はちょっと…」という感じです。大手企業の顧問や金持ちの…

時間どおりがありがたい

複数弁護士がいる事務所なんかでは、別々の法律相談が近い時間帯に行われることもあります。そうなると、来所するのが少し早すぎたり遅すぎたりした場合に、他の相談者とニアミスしてしまうこともあります。もちろん、相談者同士が顔を合わせる事のないよう…