日々起案

田舎で働く弁護士が、考えたことや気になったことを書いています。

予備試験ルートの合格率

9月12日に、平成29年司法試験結果が出ました。

統計によると、予備試験ルートでの受験生は、合格率が72.5%と抜きん出て高く、これをどう見るかということが問題にされることもあります。

しかし、これは若干数字のマジックなところがあります。確かに、予備試験ルートの合格率は異様に高いのですが、そもそも予備試験自体の合格率が、たったの4%弱なのです(平成28年結果)。まるで旧司法試験の合格率です。

要するに、受験資格の段階でふるいにかけられているからこその高い合格率なわけで、別に予備試験ルートの方が有利というわけではありません。

実際問題、予備試験はかなり難しいと言えます。内容も司法試験に近いため、司法試験の答案練習に予備試験の過去問を使ったりもするくらいです。邪推ですが、法科大学院の価値を下げないために、予備試験はわざと難しくしているのではないかと思います。そのため、法科大学院ルートで5回落ちてしまった人が、予備試験ルートに移行して再チャレンジというのは、正直無謀だと思います。

予備試験ルートは、優秀な人間が2~3年の時間と高額な学費を浪費せず受験資格を得られるのが最大の利点でしょう。