日々起案

田舎で働く弁護士が、考えたことや気になったことを書いています。

弁護士の手帳

1月始まりの手帳が店頭に並ぶ季節になりました。

弁護士は、相談にしろ裁判にしろ、外部の都合に合わせてスケジュールを決めることが多いので、予定把握のために手帳が必須となります。

弁護士専用手帳

弁護士用に作られている手帳としては、「訟廷日誌」と「弁護士日誌」があります。どちらも、裁判所の期日を書く欄が用意されており、弁護士業務用の便覧が付属している点が特徴です。

これらの手帳を愛用している弁護士はたくさんおられますが、私は、正直言って使いにくいと思っています。小さくて書き込みスペースが少ないし、時間を視覚的に把握できないので、私はあまり好きではありません。もはや「弁護士の仕事といえば訴訟」という時代ではないので、裁判期日の記入に特化していると、逆に弁護士の手帳としては不足が出てくるのだと思います。実際、ある程度の年代から下では、上の2つの手帳を使っている弁護士はあまり見ないように思います。一般向けの手帳は色々と工夫があり、弁護士業務に使うのにも普通に便利です。

電子アプリ

手帳ではなく、タブレットなどで一元管理している弁護士もしばしば見かけます。私も、プライベートの予定は全てGoogleカレンダーで管理しているので、予定管理の方法としては十分ありだと思います。

ただ、私自身は、紙の手帳を全く使わないで仕事をするのは難しいと感じています。なぜなら、予定の書き込みも一覧・検索も、紙の方が圧倒的に早いからです。何か特定の用件を探し当てるのはパソコンやタブレットの方が早いのでしょうが、数か月単位で通覧し、予定の「空き」を確認したりするのは、どうしても紙の方が早くなります。

この辺の事情は、機械的な性能というより媒体の特性の問題なので、紙の手帳が主流であることは当分変わらないのではないかと思います。

自分の手帳の選び方

ちなみに、私の場合は、以下のような条件で検討します。

バーチカル形式(見開き1週間)

時間管理が視覚的にできるので、バーチカル形式がベストです。

その週の予定をひと目で確認しつつ、書き込みスペースが大きくなるように、見開きで1週間になるレイアウトが一番バランスが良いと感じます。

平日重視タイプ

土日は裁判期日が入らず、事務所にもよりますが相談予定も入らないので、土日のスペースはそんなに要りません。なので、平日のスケジュール欄を広く取れる平日重視タイプの方が無駄がありません。

サイズはA6~B5

使いやすさとしては、B6かA5あたりがちょうど良い気がします。A6は若干小さく、B5は若干大きいと感じましたが、いずれも許容範囲です。

仕事柄、手帳を出す時は机がある場面がほとんどなので、サイズが大きいのはさほど問題になりません。しかし、サイズが大きいと、土日が平日と同じスペースになり、メモ用の余白も大きく取られるので、逆に平日のスケジュール欄が狭くなっていたりします。そのため、結局はB6からA5くらいが一番無駄のないサイズ感になってくるのです。

余白少なめ

多少のメモ用余白は必要ですが、アイデアやToDoを大量に書き込むわけではないので、本当に少しのスペースで十分です。メモ部分が多いと、それだけ予定を書き込むためのスペースが減るので、余白は少なめの方が良いのです。

時間軸は単位時間あたりのスペース広め

相談時間は30分単位なので、とりあえず30分単位での管理が可能な程度のスペースが必要です。

逆に、1日の開始時間と終了時間は、8時から20時などで良く、24時間全部の予定は必要ありません。その時間帯は仕事していないか、少なくとも他人と会う業務予定は入れないので。

1月始まり

司法修習が12月に終了するため、多くの人は12月か1月に弁護士登録し、働き始めるのもその時期になります。私も1月から仕事を開始したので、1月始まりが時期に合っていました。

また、4月始まりだと少し不便だと思います。4月前後は、裁判所に異動があるため、次回期日が遠くなります。4月始まりの手帳だと、予定確認のために2冊持ち歩く必要が出てくる可能性があります。

大抵の手帳は、実際には開始月の前月から始まっているので、1月始まりなら12月に買い換えれば間に合います。

2018年の手帳候補

上記の条件から、今のところ2018年の候補は、高橋書店の「フェルテ6」と日本能率協会の「ネクサスA5バーチカル」です。