日々起案

田舎で働く弁護士が、考えたことや気になったことを書いています。

弁護士用「やさしい日本語」マニュアルはないのか?

最近、「やさしい日本語」という技術・コンセプトが注目されているようです。

無理に英語などを使うのではなく、日本語の中で簡単な言葉・表現に置き換えることで、外国人に理解しやすくするというものです。外国語を覚えるよりも遥かに学習コストが安いうえ、日本にいる外国人、特に定住外国人は、英語圏の外の人間がかなり多いので、英語よりむしろ「やさしい日本語」の方が伝わりやすいのだそうです。

これは、主に防災と観光の分野で注目されているのですが、弁護士にも絶対必要な技術だと思います。

刑事事件の被疑者・被告人には、外国人もかなり多いのですが、その中には、「簡単な会話程度なら日本語が分かるが、英語は全く分からない」というパターンが相当あります。日弁連が各国語の権利告知書を用意してはいますが、当然それだけでは不十分です。もちろん通訳人を用意して接見に行けば良いのですが、言語によっては簡単には通訳人を用意できませんし、用意できても一定の時間がかかります。

簡単な言葉で言い換えるだけなら簡単、と思いがちですが、これが非常に難しい。日常会話程度ならまだしも、法律用語となると本当にどう言い換えれば良いのか、すぐには思いつきません。日本語なのに、「なんて言えばいいんだろう…」と頭を悩ませたことは多々あります。

もし、『接見で使える!弁護士の「やさしい日本語」』なんて書籍があったら、迷わず買います。

どこかの弁護士会で出版してくれないでしょうか?