事務職員能力認定試験 第11回解説(問17~20)
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1は図の「非金銭執行>意思表示の擬制」に該当する。
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- 執行文の種類(便宜上の分け方)
- ①単純執行文:単純な給付を求める内容で,証明が必要な条件・期限がない場合
- ②条件成就執行文:一定の条件・期限の到来が必要な場合
- ③承継執行文:債務名義(判決等)に記載のない相手に執行する場合
- ④意思表示擬制のための執行文:登記請求で,例外的に債務者の意思表示を必要とする場合
- ①の一種。設問のような条項(過怠約款)は,遅滞を停止条件として期限の利益を喪失させる(遅滞がない間は待ってやる)ものであり,債務者側に義務履行の立証責任がある。よって債権者は証明不要。
- 甲の死亡を条件とした②の一種。甲の死亡を証明する書類が必要。
- 原告の支払を条件とした②の一種。支払完了を証明する書類が必要。
- 相続人は債務名義の対象ではない。③の一種。被告の死亡と相続人との親子関係を証明する書類が必要。
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- 正)金銭執行の場合,確定金額又は金額を確定できる計算式を特定しなければならない。債権執行の場合,具体的な執行完了がいつになるか分からないので,遅延損害金も申立日までで確定しなければならない。
- 正)議論のあるところだが,実務上は取扱支店を特定するのが通常。
- 正)民執155条1項
- 誤)転付命令は金銭債権に対してしかできず,差し押さえれば何でもできるわけではない。なお転付命令とは,債権そのものの帰属を移転すること。転付債権の券面額の範囲で弁済されたことになる(民執160条)。
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- 誤)複数債権者から差押えを受けた場合,第三債務者は一人に弁済することはできず,供託をしなければ債務を免れることができない(義務供託,民執156条2項)。
- 正)供託した場合は,「その事情を執行裁判所に届け出なければならない」(同条3項)。
- 誤)支払義務はあるので,支払わないと債務不履行となる。
- 誤)支払っても債務を免れない。