日々起案

田舎で働く弁護士が、考えたことや気になったことを書いています。

法テラスの資力基準

弁護士に頼みたいけどお金がない…という人に対しては、日本司法支援センター(通称「法テラス」)が費用を立替えてくれる制度があります。

お金がない人のための制度なので、収入が一定以上の人は利用できません。具体的な基準は法テラスのサイトに公開されています。基本的には、以下のような収入が基準となっています。

法テラスの資力基準(収入)

世帯人数 世帯全体の手取月収額 家賃又は住宅ローンを負担している場合に加算できる限度額
1人 18万2000円以下 4万1000円以下
2人 25万1000円以下 5万3000円以下
3人 27万2000円以下 6万6000円以下
4人 29万9000円以下 7万1000円以下

注意点

  • 手取金額だが、賞与があればそれも月平均で合算する
  • 離婚事件などで配偶者が相手方の場合は、相手方の収入は計算しない
  • 東京などの生活保護一級地では、基準額が上がる
  • 世帯人数が4人を超える場合、超過人数1人につき3万円を手取月収基準額に加算

家賃以外の控除

医療費、教育費、職業上の必要不可欠な支出については、更に控除してもらえる可能性があります。

たとえば、夫婦+子2人の世帯で、家賃8万円の家に住んでいる場合。

  • 手取月収額基準:29万9000円
  • 家賃加算:7万1000円

以上から、夫婦で平均手取月収が37万円以下なら、基準クリアです。

更に、持病で定期的に通院している場合はその費用が医療費として、子供が保育園に入っている場合にはその費用が教育費として控除されるので、それらの金額を37万円に加えた金額まで収入があっても大丈夫となります。

根拠資料

法テラスに立替えの援助を申し込む場合は、以上の資力基準を充たすことを示すため、根拠資料を集める必要があります。

  • 世帯人数→住民票(「世帯全員」と記載されているもの)
  • 収入→直近2か月分の給与明細、無職なら非課税証明書等
  • 医療費、教育費等→金額が小さければ具体的な内容の説明だけで通るが、金額が大きい場合には領収証が必要

基本的に、直近2か月分の給与額で判断するので、月ごとの収入変動が大きい職業の場合、実際の平均額より高く評価されてしまい、そのせいで資力基準を上回ってしまう場合もあります。その場合は、他の月の給与明細や、源泉徴収票等で年収を示すなど、一手間必要です。