日々起案

田舎で働く弁護士が、考えたことや気になったことを書いています。

無理なら無理と言った方が満足度が高い

どう考えても無理筋だったり、勝てることは勝てるけど絶対に費用倒れになるであろう相談というのは、よくあります。

こういう相談が来た時は、はっきり「無理です」「やるだけ損です」と言ってしまわないといけません(もちろん言葉は選びますが)。半端に希望を持たせることは相談者の不利益になるので、誠実な対応とは言えません。

一定の希望を持って相談に来ているのに、あっさり全否定されたら怒ってしまうのでは……とも思えますが、逆に満足する方が多いです。「勉強になった」「相談してよかった」と言って、すっきりした顔で帰っていきます。

要するに、そういう無理筋なトラブルというのは、本人も薄々無理筋だと分かっているのでしょう。さりとて、何もしないのも腹立たしい、ということで、どちらでも良いから誰かにはっきり決めて欲しくて相談に来るのだと思います。そういう方には、半端な態度をとるより、はっきり否定してあげた方が満足度が高くなるのです。

強い期待を抱いてきた方でも、無理な理由をきちんと説明すれば納得しますし、納得しなければ別の弁護士に相談する契機になります。いずれにしろ、無理なら無理と言う方が相談者の利益になることは間違いないので、はっきり否定することをためらう必要はありません。

はっきり「やめておいた方がいい」と言っても感情論で法的措置を望む方の場合は、受任すると非常に大変な目に遭う可能性が高いので、要注意です。