日々起案

田舎で働く弁護士が、考えたことや気になったことを書いています。

刑事弁護は私選と国選どっちがいいか?

当番弁護*1で接見に行くと、たまに聞かれます。

「金はあるから、私選であんたにお願いしても良いんだけど、国選とどっちがいいと思う?」

答えは人それぞれだと思いますが、私の場合は、大抵こう答えています。

「私選だから一生懸命やって、国選だから適当にやるということはないと思います。少なくとも私は、私選だろうが国選だろうが同じようにやりますよ。特に信頼している弁護士がいるんじゃなければ、金のかからない国選でいいんじゃないですかね。」

他の弁護士が本当に私選と国選とで区別していないかは知りませんが、私が区別しない(する気がない)というのは本心です。むしろ、私選と国選で態度が変わるのは依頼者の方で、私選だと「金払ってるんだから」と、注文や文句をたくさんつけてきます。

そんなわけで、タイトルの答えは、「どっちでも大して変わらないから、何十万円もかかる私選より国選の方がいい場合が多い」です。

金をかけても私選を利用した方がいいのは、特に頼みたい弁護士がいる場合と、被疑者国選非対象事件*2で被疑者段階から弁護が必要な場合くらいだと思います。

*1:逮捕された時、1回だけ無料で弁護士を派遣してもらえる制度。費用は弁護士会=会員である弁護士全体が負担する。

*2:起訴される前の段階で国選弁護人を頼めるのは、法定刑が一定以上の罪に限られる。