司法修習生に名刺は必要なのか
司法修習に入る前、多くの合格者は、名刺を作ります。ネットで調べるとみんな作ってるみたいだし、修習生対象の名刺業者もあったりして、作るのが当たり前、みたいな感じでした。
しかし、本当に修習生が名刺なんて持つ必要があるのでしょうか。
不要論
正直言えば、修習生に名刺なんて要らないと思います。理由は2つです。
理由1:使う場面がない
司法修習生が名刺を渡す場合として考えられるのは、ほぼ2つだけです。
- 修習生同士で交換
- 就活先の弁護士と交換
1つ目のパターンは、あるにはあるんですが、ほとんど大学の同級生みたいな関係性の相手なので、名刺である必然性は皆無です。今時は連絡先の交換もLINEが中心なので、名刺をもらっても役に立ちません。
2つ目のパターンは、一番よくあるし、一見すごく必要そうです。が、正直就活先の弁護士は修習生の名刺なんか興味ゼロです。元々履歴書に詳しく書いてあるし、採用でも不採用でも二度と見返しません。修習生が名刺を持っていないからと言って、そんなことで不採用にするとか不利に評価することもありません(多分)。相手の名刺をもらっておくだけで問題ありません。
理由2:もらった側としてはゴミ同然
修習が1年で終わる以上、司法修習生としての名刺なんてのは、どんなに長くても1年間でゴミになります。その1年の間に、「あの修習生と連絡を取りたい…。そうだ、名刺をもらっていた!」なんて状況、まずありません。
検察官や裁判官は、名刺を持っていません。2~3年で転勤して所属が変わるため、名刺を配る意味が無いからです。身分の価値がより低く、所属期間がより短い修習生が配る名刺に、一体どれほどの価値があるでしょうか。
ゴミを配るためにわざわざ大量に名刺を刷るのは、資源の無駄です。
必要論
そうは言っても、ほとんどの修習生が名刺を作っているのだから、一応必要なのではないか…?という疑問ももっともです。
その答えは結局のところ、「格好をつけておきたい」ということに尽きると思います。
名刺と言えば交換!こちらからも渡さなければ!という思い込みがあると、一方的に名刺をもらうことに居心地の悪さを感じてしまいます。名刺を渡さないことで就活が不利になることはないと書きましたが、「不利にならないとは分かっていても、何となくやっておきたい」ということはあると思います。
名刺の「交換」という儀礼を形にしたい、というのであれば、修習生の名刺は、そのための飾りとして必要なのかもしれません。
結論
結論としては、「どっちでもいい」です。
あってもなくても困らないが、あれば何となく格好がつく、というだけの代物です。いずれにしろ、そんなにたくさん配ることはないので、業者には頼まず、パソコンで自作した方が費用的にもエコ的にも良いと思います。