日々起案

田舎で働く弁護士が、考えたことや気になったことを書いています。

家計簿は面倒だが役に立つ

債務整理案件でよく思うのが、「みんな家計簿つけた方が良い」ということです。

消費者金融からの借金が返せずに相談に来る人の多くは、自分の家計の収支が分かっていない、という人が少なくありません。そういう人は、根本的に金銭感覚が緩くて、「今返せているから大丈夫」的な思考をずっと続け、ちょっとした出費・減収で返済不能に突入していくのがパターンです。「今返せている」人はまだ良い方で、中には、就職だの事業の成功だの、未来の不確定要素を前提にしている人もいます。

破産案件では、必要書類として簡単な家計簿をつけてもらいます。世の中に家計簿をつけている人はたくさんいると思いますが、破産の依頼者で「あ、家計簿ならつけているので今すぐ全部記入できますよ」なんて人は一人もいません。そういう人はそもそも自己破産するようなことにならないのでしょう。

家計簿をつければ、収支バランスも分かるし、自分の消費傾向や無駄遣いも可視化され、各固定費を把握することができます。そして何より、家計簿をつけるという行為自体が、お金の使い方を意識するということに繋がります。正直面倒ではありますが、こと金銭管理の観点からは家計簿は非常に有用なので、お金の心配がない人も、是非導入してみてほしいと思います

学校は、義務教育中に家計簿のつけ方を教え、歯磨きと同じくらい習慣化させるべきだと思います。親だったら、自分の給与明細や各支出の明細を見せ、(子供自身の小遣いではなく)家庭の家計簿を子供につけさせてみた方が良いと思います。若いうちに、金銭に対する正しい認識とシビアな感覚を身につけておけば、少なくともクレサラで破産という悲しい結末は避けられるのではないかと思います。

なお、Excelが使える人は、Excelで管理すると年間の統計や資産管理もできて便利です。