日々起案

田舎で働く弁護士が、考えたことや気になったことを書いていきます。

全角英数字の憂鬱

法律文書は、英数字でも全角で表記するのが割と一般的です。むしろ、全角表記が標準です。

私は元々、「英数字を全角で打つなんて気持ち悪くて無理」という人間でしたし、別に英数字を半角にしたからといって書類の形式上問題があるわけでもないので、半角にしようと思えばいつでもできます。しかし、実際に弁護士として働きだしてから、数字については全角で打ってしまうことが多くなってしまいました。理由は2つです。

全角の方が読みやすい

理由の1つ目。法曹界の紙文化に由来するところです。

法曹界は、圧倒的な紙文化です。依頼者や弁護士とのやり取りならともかく、裁判所や検察庁とのやり取りは、基本的に紙でしかできません。一見不合理にも見えますが、セキュリティの問題に加え、長期間確実に保存しなければならないという特性上、紙での保存はむしろ合理的なのです。そのため、今後も紙文化は変わらないと思われます。

このように、データでなく印字されたものを扱うことが原則になるため、少し大きくなる全角数字の方が、視認性が高いのです。

雛形の修正が面倒

理由の2つ目。私が勤務弁護士(いわゆるイソ弁)であることから生じる問題です。

私が書面を起案するとき、ほとんどの場合、事務所で管理されている文書の雛形や、過去の書面データを流用します。しかし、それらのデータで使用されている数字はほぼ全角数字となっているので、それを修正するのが面倒になってくるのです。自分の好みで勝手に雛形を修正するわけにもいかないので、次第に全角数字のまま使うようになってきました。

半角にする必要性は?

本気で半角に統一しようと思えばいつでもできるのですが、ここまで考えてくると、逆に「半角英数字にするメリットって何?」となってきます。スクリプトやエクセルのデータなど、数字と数値の区別が必要な場合ならともかく、最終的に印刷物としてしか利用しない法律文書においては、全角だろうが半角だろうが「見た目」以上の違いはありません。

つまり、英数字を半角にするメリットは特にないということになります。個人的には、全角英数字がまかり通っている最大の理由はここにあると思っています。

法律文書に限っては、全角英数字を使うこと自体は有益だったりするのです。