日々起案

田舎で働く弁護士が、考えたことや気になったことを書いています。

刑事弁護

富田林署脱走事件の影響

接見が若干面倒になってます。おそらく、全国的に上からのお達しがあったのでしょう。対応の変化に時間差があったので、最初は各警察署単位で検討していたのかもしれません。帰るときにはブザー的な物を鳴らさないといけなくなったし、留置管理課を通らずに…

被告人質問の事前練習

TOKIOの山口達也氏が、女子高生に対する強制わいせつで送検され、話題になっています。 TOKIO山口メンバー 会見内容は | NHKニュースはてなブックマーク- TOKIO山口メンバー 会見内容は | NHKニュース26日の謝罪会見を見て(聞いて)、色々な人が…

「何が悪いのか」を理解させる難しさ

自白事件では、まず被告人から反省を引き出す必要があります。そして、テンプレ的には、反省するためには、自分のしたことの何が悪いのかを理解していなければなりません。「何について謝っているの?」ってことです。しかし、これが意外と難しい。たとえば…

ゴミのような弁論を書くつらさ

国選事件をしていると、どう考えても有罪なのに否認(無罪主張)してくる被告人がいます。客観証拠だけでも証明十分、弁解はそれ自体明らかに不合理、おまけに内容がコロコロ変わる、というような感じです。当然ながら、弁解を裏付ける証拠など一つもなく、…

弁護士用「やさしい日本語」マニュアルはないのか?

最近、「やさしい日本語」という技術・コンセプトが注目されているようです。無理に英語などを使うのではなく、日本語の中で簡単な言葉・表現に置き換えることで、外国人に理解しやすくするというものです。外国語を覚えるよりも遥かに学習コストが安いうえ…

接見禁止はぜひとも解除

被疑者・被告人に接見禁止が付いていることはよくあります。薬物事犯や、共犯事件なんかだとかなりの確率で付いています。この接見禁止は、ぜひとも早期に解除しておくべきです。もちろん被疑者・被告人のためというのもありますが、何より弁護人にとって非…

はじめてのせっけん

国選事件などで接見する場合の、窓口での手続の流れをまとめました。これで初めて接見するときも怖くありません。 留置場所に電話をかけましょう 日中の場合は、取調べが行われている可能性があります(特に被疑者段階)。警察の取調べの場合は、中断して接…

裁判員裁判の弁論に演出は必要か?

一部の本では、裁判員裁判での最終弁論について、「裁判員に語りかける」とか「法廷中央に歩み出てペーパーレスで行う」といったやり方を推奨しています。これは、裁判員に「傾聴させる」「理解させる」ためのテクニックとして有用であるという趣旨です。し…

『刑事弁護ビギナーズver.2』

刑事弁護ビギナーズver.2出版社/メーカー: 現代人文社発売日: 2014/09/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る弁護士必携の一冊。多分、刑事弁護を扱う事務所なら必ず置いてあります。司法修習時代には、必携と言われてもピンときませんでした…

刑事弁護は私選と国選どっちがいいか?

当番弁護*1で接見に行くと、たまに聞かれます。 「金はあるから、私選であんたにお願いしても良いんだけど、国選とどっちがいいと思う?」 答えは人それぞれだと思いますが、私の場合は、大抵こう答えています。 「私選だから一生懸命やって、国選だから適当…