日々起案

田舎で働く弁護士が、考えたことや気になったことを書いています。

最強の敵は依頼者

刑事でも民事でも言えることですが、案件が難しい、厄介であるということは、実はそこまで辛くありません。面倒で大変だとしても、結局はやれるだけのことをやるしかないし、とりあえずやりがいはあります。しかし、依頼者が厄介な人だと、これはもう本当に…

接見禁止はぜひとも解除

被疑者・被告人に接見禁止が付いていることはよくあります。薬物事犯や、共犯事件なんかだとかなりの確率で付いています。この接見禁止は、ぜひとも早期に解除しておくべきです。もちろん被疑者・被告人のためというのもありますが、何より弁護人にとって非…

抵当権者不明土地(休眠担保権の抹消登記)

登記の放置により、所有者不明の土地が増えていることが問題とされているようです。これと少し似た問題として、親から相続した土地に抵当権が設定されており、あまりに古い抵当権のために抵当権者が誰だか分からないという問題があります*1。所有者不明土地…

交通事故被害者がやってはいけない対応

交通事故に遭ったとき、対応を間違えると適切な損害賠償を受けられない可能性が高まります。以下、被害者がやってしまいがちな間違いを挙げていきます。 警察に物損事故で届け出る 加害者側に頼み込まれ、人損なのに物損で届け出てしまうパターン。物損だと…

交通事故は主婦の方がお得

交通事故の損害賠償の内訳には、休業損害(略して「休損」)というものがあります。読んで字のごとく、事故のせいで仕事を休むことになった場合に、休んで減った分の収入のことです。休損には、色々と難しい問題もあるのですが、日頃から奇妙に感じているの…

修習生伝統の起案対策マニュアル

司法修習生の間では、過去問やその優秀答案、起案対策マニュアルなどが受け継がれてきています。毎年無秩序に累積しているので、数GBもの容量となっています。私も、そうしたデータは入手し、目を通しました。しかし、はっきり言ってこれらはあまり役に立ち…

弁護士の手帳

1月始まりの手帳が店頭に並ぶ季節になりました。弁護士は、相談にしろ裁判にしろ、外部の都合に合わせてスケジュールを決めることが多いので、予定把握のために手帳が必須となります。 弁護士専用手帳 弁護士用に作られている手帳としては、「訟廷日誌」と「…

労組と非弁

「残業代バブル」って本当にあるの? - 刑裁サイ太のゴ3ネタブログ この記事を見ていて思い出したのですが、『ガイアの夜明け』という番組で、外国人実習生の賃金未払い問題を取り上げた回があります。そこで紹介された事例では、「岐阜一般労働組合の甄凱…

赤本青本緑本

交通事故案件では、弁護士が必ずと言って良いほど参照する資料があります。「赤い本」「青本」「別冊判タ38」の3冊です。簡単に言うと、それぞれ、損害賠償額算定の基準、その詳細や例外の解説、過失割合の基準をまとめたものです。 赤い本 正式名称『民事交…

司法修習の準備

合格発表直後 9月12日に2017年司法試験の合格発表が行われました。自分の時を思い出してみると、合格発表後の数日はかなり忙しかったように思います。 最高裁判所に行って司法修習申請書類を受領 法務局へ行って登記されていないことの証明書を取得 市役所へ…

予備試験ルートの合格率

9月12日に、平成29年司法試験結果が出ました。統計によると、予備試験ルートでの受験生は、合格率が72.5%と抜きん出て高く、これをどう見るかということが問題にされることもあります。しかし、これは若干数字のマジックなところがあります。確かに、予備試…

はじめてのせっけん

国選事件などで接見する場合の、窓口での手続の流れをまとめました。これで初めて接見するときも怖くありません。 留置場所に電話をかけましょう 日中の場合は、取調べが行われている可能性があります(特に被疑者段階)。警察の取調べの場合は、中断して接…

裁判員裁判の弁論に演出は必要か?

一部の本では、裁判員裁判での最終弁論について、「裁判員に語りかける」とか「法廷中央に歩み出てペーパーレスで行う」といったやり方を推奨しています。これは、裁判員に「傾聴させる」「理解させる」ためのテクニックとして有用であるという趣旨です。し…

『刑事弁護ビギナーズver.2』

刑事弁護ビギナーズver.2出版社/メーカー: 現代人文社発売日: 2014/09/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る弁護士必携の一冊。多分、刑事弁護を扱う事務所なら必ず置いてあります。司法修習時代には、必携と言われてもピンときませんでした…

弁護士になるまでの過程

流れ図 弁護士になるまでの過程を、ざっくり図にしてみました。なお、以下の図や説明は全て2017年現在の状況についての話です。 受験資格を得るまで 弁護士(又は裁判官、検察官)になるには、司法試験に合格しなければなりませんが、その司法試験を受験する…

無理なら無理と言った方が満足度が高い

どう考えても無理筋だったり、勝てることは勝てるけど絶対に費用倒れになるであろう相談というのは、よくあります。こういう相談が来た時は、はっきり「無理です」「やるだけ損です」と言ってしまわないといけません(もちろん言葉は選びますが)。半端に希…

良い弁護士の見分け方

どこの弁護士に頼めば良いのか?これは、かなりの難問です。 結論 結論から言ってしまうと、「自分と相性の良い弁護士が最良」です。事務所の規模とか、弁護士の年齢、性別、そういうのは直接には関係ありません。弁護士に頼むというのは、契約をしたら後は…

法律家は「正しい日本語」を使う(べき)

日本語は、法律家にとって最も重要な商売道具です。裁判官や検察官は、漢字の使い方や送り仮名の使い方についても、公用文作成要領に従うよう努めています。司法修習の際には、その厳密さに驚きました。弁護士はそこまで厳格ではありませんが、それでもかな…

刑事弁護は私選と国選どっちがいいか?

当番弁護*1で接見に行くと、たまに聞かれます。 「金はあるから、私選であんたにお願いしても良いんだけど、国選とどっちがいいと思う?」 答えは人それぞれだと思いますが、私の場合は、大抵こう答えています。 「私選だから一生懸命やって、国選だから適当…

『若手弁護士のための初動対応の実務』

若手弁護士のための 初動対応の実務 Initial Response of Practice for Young Lawyer作者: 長?佑志出版社/メーカー: レクシスネクシス・ジャパン発売日: 2016/04/15メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る一般民事で案件の多い、交通事…

大体いつもノーネクタイ

最近はクールビズが浸透し、夏は半袖ワイシャツ(もちろんノータイ)が普通になってきましたが、私は、ジャケットを着る季節でも、割とノーネクタイです。ネクタイは、寒い日のマフラー代わりみたいになっています。客層や考え方の違いで様々だとは思います…

革靴

弁護士に限らず、革靴は様々な職業の人にとって仕事道具の一つでしょう。しかし、それらにどこまでこだわるか?ということになると、十人十色です。私の場合、「あまりこだわらないけど、さすがに合皮はちょっと…」という感じです。大手企業の顧問や金持ちの…

時間どおりがありがたい

複数弁護士がいる事務所なんかでは、別々の法律相談が近い時間帯に行われることもあります。そうなると、来所するのが少し早すぎたり遅すぎたりした場合に、他の相談者とニアミスしてしまうこともあります。もちろん、相談者同士が顔を合わせる事のないよう…

盆休み

世間はお盆休みですが、残念ながら、私は暦どおりに働いています。イソ弁として夏季休暇ももらっているのですが、私は敢えて世間とずらして取得しています。どうしてそんな休みのとり方をしているかというと、第1に、日本中が休みの時に休むより、日本中が働…

司法修習生に名刺は必要なのか

司法修習に入る前、多くの合格者は、名刺を作ります。ネットで調べるとみんな作ってるみたいだし、修習生対象の名刺業者もあったりして、作るのが当たり前、みたいな感じでした。しかし、本当に修習生が名刺なんて持つ必要があるのでしょうか。 不要論 正直…

印鑑ホルダー「はん蔵」が便利

uni(三菱鉛筆)の「はん蔵」という商品があります。印鑑をセットすると、内蔵の朱肉が自動的に印面に付き、スタンプ印のように印鑑を押せるという優れものです。印鑑ケースからの出し入れや、朱肉を付けるといった動作が不要になるので、非常に便利です。水…

時効援用くらいは自分でできそうだが…

法律相談を受けていると、「これくらいは自分でやればいいのに」と思うことがあります。その最たる例は、消滅時効の援用です。 ある日突然債務返済の請求書が来た。確かに金を借りたことがあるが、もう相当昔の話で、少なくとも5年以上、取引もないし請求も…

借金苦から逃れる4つの方法

4つの選択肢 自己破産 メリット デメリット 自己破産を選んだ方が良い場合 個人再生 メリット デメリット 個人再生を選んだ方が良い場合 任意整理 メリット デメリット 任意整理を選んだ方が良い場合 踏み倒し メリット デメリット 踏み倒しを選んだ方が良い…

連絡手段の使い分け

弁護士業務は、定型作業として、各所に多くの連絡をしていきます。依頼者、裁判所、検察庁、相手方代理人、保険会社などなど。そこで、基本的な連絡手段と特徴をまとめてみました。 電話 FAX 郵送 電子メール 電話 当然ですが、非常によく使います。即時性が…

自動車保険には弁特を付けた方が良い

自動車を買ったら、大抵の人が任意保険に入ります。てか入ってください、保険入れないなら車買わないでください。マジでお願いします。 弁特を付けるべき理由 弁特(弁護士費用特約)は、簡単に言うと、年間1500円~2000円程度で、事故時の弁護士費用を保険…