良い弁護士の見分け方
どこの弁護士に頼めば良いのか?これは、かなりの難問です。
結論
結論から言ってしまうと、「自分と相性の良い弁護士が最良」です。事務所の規模とか、弁護士の年齢、性別、そういうのは直接には関係ありません。
弁護士に頼むというのは、契約をしたら後は解決の報告を受けるだけ、というわけにはいきません。事案にもよりますが、弁護士と依頼者が共同で問題を解決していくという側面が強いのです。そうなると、一緒にやっていける相手かどうか、つまり、相手を気に入るかどうか、というのが最も重要になってきます。
能力じゃないのか?
もちろん、依頼者の利益を最大化するためには、弁護士の能力も高いに越したことはありません。しかし、能力は目に見えませんし、実績なんてものは大げさに見せることもできます。逆に、ベテランの先生は、全く宣伝しない方も多いので、実績が目に見えることはほぼありません。
そもそも、弁護士によって得意な分野も違いますし、同じ事案でも、何を重視するのか(交渉か裁判か処理速度か)でも話は違ってきます。
単純な「優秀さ」を測るのは、ほとんど不可能と言っても過言ではありません。
相性を判断するには?
では、どうやって自分と弁護士との相性を判断するのか、というと、これはもう実際に話をしてみるしかありません。
見た目は?所作や話し方は?理屈や根拠をしっかり説明するのか?結論だけ簡単に説明するのか?事務員への態度は?事務員の様子は?笑顔なのか?真剣な顔なのか?メモは手書きか?パソコンか?悪い見通しをズバズバ言うのか?オブラートに包みまくるのか?etc...
何となくの直観で、良さそうだと思うか、気に入らないと思うか、それが一番重要なポイントです。まず1度法律相談をしなければいけないのが問題ですが、これ以外に判断する術はほぼありません。
法律家は「正しい日本語」を使う(べき)
日本語は、法律家にとって最も重要な商売道具です。
裁判官や検察官は、漢字の使い方や送り仮名の使い方についても、公用文作成要領に従うよう努めています。司法修習の際には、その厳密さに驚きました。弁護士はそこまで厳格ではありませんが、それでもかなり気を使います。
司法試験では、一義的・簡潔で正確な文章表現が強く求められています。修飾語のかかる位置が明確でなかったり、一文があまりに長かったりすると、それだけで評価は低くなります。日本語自体が、法律家同士が扱う共通規格であるということを考えると、当然のことです。更に言うと、文章表現が良くない答案は、内容も残念なことがほとんどです。
もしも今後司法試験を受験しようと考えている人がいたら、普段から簡潔明瞭な文章を書くように気を使ってみると良いと思います。
刑事弁護は私選と国選どっちがいいか?
当番弁護*1で接見に行くと、たまに聞かれます。
「金はあるから、私選であんたにお願いしても良いんだけど、国選とどっちがいいと思う?」
答えは人それぞれだと思いますが、私の場合は、大抵こう答えています。
「私選だから一生懸命やって、国選だから適当にやるということはないと思います。少なくとも私は、私選だろうが国選だろうが同じようにやりますよ。特に信頼している弁護士がいるんじゃなければ、金のかからない国選でいいんじゃないですかね。」
他の弁護士が本当に私選と国選とで区別していないかは知りませんが、私が区別しない(する気がない)というのは本心です。むしろ、私選と国選で態度が変わるのは依頼者の方で、私選だと「金払ってるんだから」と、注文や文句をたくさんつけてきます。
そんなわけで、タイトルの答えは、「どっちでも大して変わらないから、何十万円もかかる私選より国選の方がいい場合が多い」です。
金をかけても私選を利用した方がいいのは、特に頼みたい弁護士がいる場合と、被疑者国選非対象事件*2で被疑者段階から弁護が必要な場合くらいだと思います。
『若手弁護士のための初動対応の実務』
若手弁護士のための 初動対応の実務 Initial Response of Practice for Young Lawyer
- 作者: 長?佑志
- 出版社/メーカー: レクシスネクシス・ジャパン
- 発売日: 2016/04/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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一般民事で案件の多い、交通事故、離婚、相続、債務整理、労働の各分野について、相談や受任後の初動対応を解説している一冊。
非常に平易で分かりやすいのですが、正直言うと、「とりあえずやってみたら分かること」、下手をすれば「言われなくても分かること」を、平易な言葉で文字にしただけという印象の本です。
若手というよりは、弁護士になって1か月も経たないド新人弁護士向けと言った方が正確だと思います。少なくとも、どう対応すればいいか迷った時に、この本を読めば解決する……という類のものでは全くありません。そういったものを期待している方は、買わない方が良いでしょう。
むしろ、司法修習生におすすめしたい本です。二回試験後、弁護士として働き始めるまでの間にサッと読んでしまって、心の準備をするというのに最適です。
大体いつもノーネクタイ
最近はクールビズが浸透し、夏は半袖ワイシャツ(もちろんノータイ)が普通になってきましたが、私は、ジャケットを着る季節でも、割とノーネクタイです。ネクタイは、寒い日のマフラー代わりみたいになっています。
客層や考え方の違いで様々だとは思いますが、今時は、ノーネクタイでも全く問題ないという風潮がある気がします。初めのうちは、私も「さすがに法廷ではネクタイを締めよう」と思っていましたが、もはやそんな考えもほとんど消えました。
常時ノーネクタイが普通に受け入れられているところも、私が「弁護士って楽で良いなぁ」と思う部分です。
革靴
弁護士に限らず、革靴は様々な職業の人にとって仕事道具の一つでしょう。しかし、それらにどこまでこだわるか?ということになると、十人十色です。
私の場合、「あまりこだわらないけど、さすがに合皮はちょっと…」という感じです。大手企業の顧問や金持ちの顧客が多い事務所なんかだと、ハッタリをきかせるために身なりにも相当気を使う必要があるかもしれませんが、田舎のマチベンとなると、その辺はあまり気になりません。身なりで弁護士の能力を見抜こうなんて人は、まずいないので。
そういうわけで、私は、ケンフォードというリーガルの廉価ブランドの靴を履いています。
1万円前後と安く、ゴム底ながら本体部分は割としっかりした本革なので、コスパが良いと言われているようです。最初に買った時は、そういった情報は全く知らず、店頭で色々試着した結果、価格と形状と履きやすさで選びました。ゴム底というのもむしろメリットが多いので、私は気になりません。安い&就職後も使えるということで、司法修習生にもおすすめのブランドです。
もちろん、値段の高い革靴はその分品質も良い(場合が多い)わけで、コストパフォーマンスだけで決まる話でもありません。いずれにしろ、革製品である以上それなりの手入れも必要不可欠です。値段よりも、買ってからきちんと手入れできているかどうかの方が、他人からの評価的にも最終的なコスパ的にも重要かもしれません。
ちなみに、こだわりがあるにしろ無いにしろ、「知っていてそうしている」のか「知らずにそうしているのか」の違いは大事だと思います。なので、自分が履かないにしても、一応最低限の知識は持っておいた方が良いでしょう。スーツや革靴については、ネットでたくさんの情報が提供されているので、ちょっと検索すれば簡単に知識が得られます。
- 作者: iko
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/09/11
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時間どおりがありがたい
複数弁護士がいる事務所なんかでは、別々の法律相談が近い時間帯に行われることもあります。そうなると、来所するのが少し早すぎたり遅すぎたりした場合に、他の相談者とニアミスしてしまうこともあります。
もちろん、相談者同士が顔を合わせる事のないように様々な配慮がされますが、できるだけそういった事態は避けたいものです。相談者の方には、是非時間ぴったりに来所していただけるとありがたい。
…と、予約の時間より1時間も早く来てくれた相談者を見て、思った次第です。