自動車保険には弁特を付けた方が良い
自動車を買ったら、大抵の人が任意保険に入ります。てか入ってください、保険入れないなら車買わないでください。マジでお願いします。
弁特を付けるべき理由
弁特(弁護士費用特約)は、簡単に言うと、年間1500円~2000円程度で、事故時の弁護士費用を保険から出してもらえるという特約です。上限額もありますが、弁特の上限額を超えるような交通事故というのは、ほとんど考えられません。
「訴訟までしたくないし、保険会社がやってくれるから弁護士要らなくない?」と思うかもしれませんが、そんなことは全くありません。現状(2017年現在)では、むしろ付けない理由がないと言ってもいいくらいの特約です。
以下、弁特を付けるべき理由(=弁護士を利用した方が良い理由)をいくつか挙げてみます。
理由1:賠償金額が上がる
はっきり言ってしまえば、弁護士が交渉すると金額が上がります。あまり変わらないケースもありますが、大半のケースでは数十万円単位で変わってきます。
保険会社は普通、「裁判したらこれくらい」という金額よりかなり低い金額で示談を提示してきます。ここに弁護士が間に入ると、この金額をある程度裁判基準に近づけることができます。裁判基準の金額など知らずに、相手方保険会社の言うままに示談に応じてしまう被害者は多いように思います。弁護士が入ることで増額される分だけでも、弁特にかかる保険料を遥かに上回ります。
理由2:自分で交渉しなくて良い
自分にも過失がある場合は、自分の保険会社が交渉を代行してくれますが、自分が無過失だとやってもらえません。怪我で痛い思いをしている中、更に相手方保険会社との交渉までするのは大変です。そういう場合でも弁特は使えるので、弁護士に交渉を任せることができます。
また、自分の保険会社が交渉してくれる場合でも、必ずしも担当が対応の良い人とは限りません。弁護士は自分で自由に選べるので、どうしても対応に不満があれば、いつでも別の弁護士に変えることができます。
理由3:事故後対応で間違えなくて済む
病院の選び方、通い方、治療の仕方、医師への対応、その他諸々、事故後の処理対応が間違っている人は非常に多いです。というか、適切な対応ができている人なんてほとんどいません。
どういう対応が適切なのかについては、また別のエントリで書くことにしますが、とにかくそういう間違った対応をして受け取れる保険金を減らさないためにも、できるだけ早いうちに弁護士を付けるべきです。
弁特を付けなくて良い人
弁特を付けないで良いのは、以下の条件に当てはまる人です。
- 大きな事故には絶対に遭わない
- 遭ったとしても、自力で適切な損害計算と交渉ができる
- 怪我でそれどころじゃなかったら、適正額の半分くらいもらえば満足
事故ったらすぐ使うべし
弁特を付けていても、実際には利用しなかったり、利用するにしても事故から半年とか1年経過して初めて相談に行くという人が多いように思います。はっきり言って損です。
事故直後から弁護士に相談していれば、解決までの期間や見通しが分かるので精神的に楽になります。また、交渉や裁判で不利にならないように、治療等について気をつけるべき点を説明してもらえます。治療や通院の仕方がまずいために適正な金額を受け取れなくなることも多く、そうなるとよくあるムチウチでも100~200万円くらい損することになります。
交通事故に遭ったら、できるだけ早いうちに弁特を使うことがおすすめです。早ければ早いほど、損をするリスクが減ると言って過言ではないと思います。
ハイブリッド車は元が取れないのか
地方で弁護士やろうと思ったら、自動車は必須です。どんな車に乗るかは弁護士によって様々で、新人でも高級外車を乗る人がいたりします。私は、特に車にこだわりもないので、「売れているものは良いものだ」という思考停止でトヨタのアクアに乗っています
さて、アクアといえばプリウスの弟分、大衆向けハイブリッド車の代表のような車種ですが、ハイブリッド車は、意外と様々な問題点を抱えています。その一つとしてよく言われるのが、「コスパが悪い」「元が取れない」ということです。
ハイブリッド車は燃費は良いのですが、そもそもの車両価格が高いので、その価格差をガソリン代でカバーするには、少なくとも10万kmは走る必要がある、と言われています。だから全然お得じゃない!と言われることが多いです。
まぁ、地方で働く人間にとって走行距離10万kmは普通に現実的な数字なので、走行距離だけ見ても「なーんだ、元取れるじゃん!」てなもんなのですが、それ以外の要素でもハイブリッド車には価値があると思うので、それらを見ていこうと思います。
静音性
ハイブリッド車は、起動してもバッテリーが入るだけで、すぐにはエンジンがかかりません。低速時や停車時にも、エンジンが止まります。そのため、非常に静かだし、何よりエンジンの振動がないのがありがたいです。
「エンジン音やその振動を感じたいんだ!」という方もいるのでしょうが、私にはその感覚は微塵も理解できません。
加速性能
ハイブリッド車は、低速時はモーターのみ、あるいはエンジン+モーターなので、停止状態からの加速性能がガソリン車より高いと言われています。実際の感覚としては、すぐ高速になるというより、「走り出しがスムーズ」という感じです。
ガソリン車だと、なかなかここまでスムーズな感じにはなりません。
給油回数が少ない
ガソリン代で元が取れないとしても、1回の給油で走れる距離に差があるのは事実。これを金額ではなく給油回数で考えると、ガソリン車はハイブリッド車の約1.5倍の給油回数になります。個人的には、給油に行くこと自体が面倒なので、回数が減るのは嬉しいことです。
また、給油回数が少なくて済むということは、すなわちガソリン残量を気にする頻度も少なくて済むということです。ガソリンの残量を気にするのは煩わしいので、その煩わしさが減るというのも利点です。
郵便の種類
恥ずかしながら、弁護士になるまで、郵便物を送付する際のオプションというか、種類の違いをよく認識していませんでした。
送る内容によって使い分けなければいけないので、手控えとしてメモしておきます*1。
速達
速達 - 日本郵便
- お急ぎの郵便物・ゆうメールを、スピーディにお届け!
- 郵便物(手紙・はがき)でも、ゆうメールでもご利用可能です。
これは分かりやすい。普通より早く届きます。ただ、処理する郵便局や処理時間帯によってはそこまで早くならない場合もあります。
料金:+280円(対象郵便物によって違いますが、一般的な書面送付のためなら、大抵この範囲。)
書留
引き受けから配達までの郵便物等の送達過程を記録し、万一、郵便物等(ゆうパックを除きます。)が壊れたり、届かなかった場合に、原則として差し出しの際お申し出のあった損害要償額の範囲内で、実損額を賠償します。
書留 - 日本郵便
書留にも一般・簡易・現金の3種類があります。現金書留は読んで字のごとくなので、一般と簡易の違いだけメモしておきます。
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一般書留
引き受けから配達までの送達過程を記録し、実損額を賠償する。
料金:+430円
簡易書留
引き受けと配達のみ記録し、賠償額は5万円まで。
料金:+310円
ただし、後々証拠として使う場合には、一般書留にした上で後述の配達証明を付けなければなりません。
配達証明
一般書留とした郵便物や荷物を配達した事実を証明するサービスです。
配達証明 - 日本郵便
文字通り、配達を証明するためのものです。配達完了後、いつ届けたかを証明するハガキが届きます。
「宛所不明」で返送された場合は、配達証明のハガキは送られてこないので、実質ただの書留と同じになります。だから「不在」の証明のためであれば配達証明は不要…と思いきや、やはり配達証明付きで送っていないと証拠として不十分とされるようです。うーん、不可解。
ちなみに、書留にしておけば配達記録自体は残っているので、後からでも配達証明を依頼することが可能です。ただし、最初から配達証明付きで出すより料金が高く、簡易書留で出していた場合には使えません。
料金:+310円(一般書留にすることが前提になるので、一般書留の料金も別にかかります。)
内容証明
一般書留郵便物の内容文書について証明するサービスです。
内容証明 - 日本郵便
郵便物の文書内容を記録しておいて、それがいつ誰に送られたかを証明してくれます。
履行催促、解除通知、時効援用など、法律行為としての意思表示をする場合には内容証明を利用する必要があります。電子内容証明サービスもあり、これを利用するとワードファイル等から直接送れて便利です。
料金:+430円、2枚目からは1枚ごとに+260円(一般書留にすることが前提になるので、一般書留の料金も別にかかります。)
特定記録
郵便物等の引き受けを記録するサービスです。配達の際は受取人さまの郵便受箱に配達します。
特定記録 - 日本郵便
送付したことを記録し、ネット上で配達状況も確認できます。
書留との最大の違いは、手渡しではなく宛先の郵便受けに入れるだけということです。配達を確認したいなら簡易書留を使うので、特定記録郵便は正直あまり使いません。
料金:+160円
*1:料金は、一番基本的な場合で、2017年6月現在のもの。
ボールペンはサラサ派
ボールペンは大事な仕事道具ですが、どんなボールペンを使うかは好みの分かれるところでしょう。私は断然サラサ派です。
シェア的には、ジェットストリームが強いように思います。確かにジェットストリームは書き心地が良いのですが、やはりどうしても、書き始めのかすれと筆記中のインク溜まりが気になります。普通の油性ボールペンより遥かに低減されているとはいえ、ゲルインクボールペンに比べるとどうしても無視できないレベルです。
あるいは、フリクションボールペンをメインにしている人もいるかもしれません。私も、書き直しが必要な手帳にはフリクションボールペンを使っています。しかし、フリクションは、メインにするには書き心地も発色も酷く、インクの減りが異常に早いので、正直メインとしてはまともに使えるレベルではありません。
私は、高校生の頃からボールペンでノートを取っていましたが、大学以降は完全にサラサだけを使ってきました。司法試験受験中は、サラサの黒の替芯を何本買ったか分かりません。
今は、サラサの中でも、既に廃番となってしまったサラサ3+Sという多色ボールペン(黒・赤・青の3色+シャープペンシル)を使っています。緑は要らないがシャーペンはたまに必要になるので、これが最適なのです。ゼブラさんには、是非ともサラサ3+Sの復刻をお願いしたいと思います。
通帳と給与明細は大切に
法律トラブルは、大抵の場合お金が絡みます。そんな時、通帳と給与明細は大切です。大切なのに、捨てちゃう人、多いです。
債務整理はもちろん、事故、相続、離婚、労働関係などなど、あらゆる問題で、資産状況やお金の流れを把握するために、通帳と給与明細が必要となる場面が出てきます。しかし、数か月以上前の給与明細や、記帳欄がいっぱいになって使わなくなった通帳だと、捨ててしまっている人が結構います。
実際、無ければ無いで対応できるのですが、どうしても事件処理が遅れます。具体的には、通帳が無いと銀行に取引履歴の開示請求をしないといけませんが、開示されるまでに3~4週間かかったります。それだけ時間の無駄になります。あとは、年金消失問題で見たように、どうにもならなくなる場合もあります。
通帳も給与明細も、最低限2年分は保管しておくべきです。それ以前の分も全て保存しておくのが理想ですが、スペースの問題もあるので、必要になることが多い直近2年分を保管しておくのが適当だと思います。
事務員にこそ丁寧に
弁護士の事務所はほとんどの場合、弁護士以外に、事務作業をしてくれる事務員さんが働いています。日本では、いわゆるパラリーガルと一般事務員とがあまり分離していないので、この事務員さんの能力は事件の処理効率にも大きく影響します。一般事務の部分だけ見ても、事務員さんがいなくなったら途端に仕事が回らなくなる、という事務所が多いと思います。
ところが、悲しいことに、事務員に対して横柄な態度をとる人が結構います。弁護士は事務員に敬意を払いこそすれ、下に見るということはないので、事務員に対する態度が悪い人には、良い印象を持ちません。たとえばそれが相談者なら、「この人は厄介な人なのかな。受任は慎重に考えよう。」と思ってしまうかもしれません。受任後でも、事務員が不満を抱く相手と円滑にやり取りするのは難しいので、事件処理に悪影響が及びかねません。
勝手な区別で態度を変えないというのは、一般社会で当然に求められるマナーでもあります。トラブルの解決を求めて行く法律事務所でそのマナーを破るのは、リスク以外に得るもののない行為です。
法律事務所を利用する方は、事務員さんにこそ丁寧に接しましょう。
家計簿は面倒だが役に立つ
債務整理案件でよく思うのが、「みんな家計簿つけた方が良い」ということです。
消費者金融からの借金が返せずに相談に来る人の多くは、自分の家計の収支が分かっていない、という人が少なくありません。そういう人は、根本的に金銭感覚が緩くて、「今返せているから大丈夫」的な思考をずっと続け、ちょっとした出費・減収で返済不能に突入していくのがパターンです。「今返せている」人はまだ良い方で、中には、就職だの事業の成功だの、未来の不確定要素を前提にしている人もいます。
破産案件では、必要書類として簡単な家計簿をつけてもらいます。世の中に家計簿をつけている人はたくさんいると思いますが、破産の依頼者で「あ、家計簿ならつけているので今すぐ全部記入できますよ」なんて人は一人もいません。そういう人はそもそも自己破産するようなことにならないのでしょう。
家計簿をつければ、収支バランスも分かるし、自分の消費傾向や無駄遣いも可視化され、各固定費を把握することができます。そして何より、家計簿をつけるという行為自体が、お金の使い方を意識するということに繋がります。正直面倒ではありますが、こと金銭管理の観点からは家計簿は非常に有用なので、お金の心配がない人も、是非導入してみてほしいと思います
学校は、義務教育中に家計簿のつけ方を教え、歯磨きと同じくらい習慣化させるべきだと思います。親だったら、自分の給与明細や各支出の明細を見せ、(子供自身の小遣いではなく)家庭の家計簿を子供につけさせてみた方が良いと思います。若いうちに、金銭に対する正しい認識とシビアな感覚を身につけておけば、少なくともクレサラで破産という悲しい結末は避けられるのではないかと思います。