日々起案

田舎で働く弁護士が、考えたことや気になったことを書いていきます。

郵便の種類

恥ずかしながら、弁護士になるまで、郵便物を送付する際のオプションというか、種類の違いをよく認識していませんでした。

送る内容によって使い分けなければいけないので、手控えとしてメモしておきます*1

速達

  • お急ぎの郵便物・ゆうメールを、スピーディにお届け!
  • 郵便物(手紙・はがき)でも、ゆうメールでもご利用可能です。
速達 - 日本郵便

これは分かりやすい。普通より早く届きます。ただ、処理する郵便局や処理時間帯によってはそこまで早くならない場合もあります。

料金:+280円(対象郵便物によって違いますが、一般的な書面送付のためなら、大抵この範囲。)

書留

引き受けから配達までの郵便物等の送達過程を記録し、万一、郵便物等(ゆうパックを除きます。)が壊れたり、届かなかった場合に、原則として差し出しの際お申し出のあった損害要償額の範囲内で、実損額を賠償します。

書留 - 日本郵便

書留にも一般・簡易・現金の3種類があります。現金書留は読んで字のごとくなので、一般と簡易の違いだけメモしておきます。

一般書留
引き受けから配達までの送達過程を記録し、実損額を賠償する。
料金:+430円
簡易書留
引き受けと配達のみ記録し、賠償額は5万円まで。
料金:+310円
書留は、相手が受け取ったかどうかを確認したいときに使います。一般書留だと、どの郵便局をいつ経由したかなども記録されますが、相手に届いたことを確認するためであれば、簡易書留で十分です。

ただし、後々証拠として使う場合には、一般書留にした上で後述の配達証明を付けなければなりません。

配達証明

一般書留とした郵便物や荷物を配達した事実を証明するサービスです。

配達証明 - 日本郵便

文字通り、配達を証明するためのものです。配達完了後、いつ届けたかを証明するハガキが届きます。

「宛所不明」で返送された場合は、配達証明のハガキは送られてこないので、実質ただの書留と同じになります。だから「不在」の証明のためであれば配達証明は不要…と思いきや、やはり配達証明付きで送っていないと証拠として不十分とされるようです。うーん、不可解。

ちなみに、書留にしておけば配達記録自体は残っているので、後からでも配達証明を依頼することが可能です。ただし、最初から配達証明付きで出すより料金が高く、簡易書留で出していた場合には使えません。

料金:+310円(一般書留にすることが前提になるので、一般書留の料金も別にかかります。)

内容証明

一般書留郵便物の内容文書について証明するサービスです。

内容証明 - 日本郵便

郵便物の文書内容を記録しておいて、それがいつ誰に送られたかを証明してくれます。

履行催促、解除通知、時効援用など、法律行為としての意思表示をする場合には内容証明を利用する必要があります。電子内容証明サービスもあり、これを利用するとワードファイル等から直接送れて便利です。

料金:+430円、2枚目からは1枚ごとに+260円(一般書留にすることが前提になるので、一般書留の料金も別にかかります。)

特定記録

郵便物等の引き受けを記録するサービスです。配達の際は受取人さまの郵便受箱に配達します。

特定記録 - 日本郵便

送付したことを記録し、ネット上で配達状況も確認できます。

書留との最大の違いは、手渡しではなく宛先の郵便受けに入れるだけということです。配達を確認したいなら簡易書留を使うので、特定記録郵便は正直あまり使いません。

料金:+160円

*1:料金は、一番基本的な場合で、2017年6月現在のもの。

ボールペンはサラサ派

ボールペンは大事な仕事道具ですが、どんなボールペンを使うかは好みの分かれるところでしょう。私は断然サラサ派です。

シェア的には、ジェットストリームが強いように思います。確かにジェットストリームは書き心地が良いのですが、やはりどうしても、書き始めのかすれと筆記中のインク溜まりが気になります。普通の油性ボールペンより遥かに低減されているとはいえ、ゲルインクボールペンに比べるとどうしても無視できないレベルです。

あるいは、フリクションボールペンをメインにしている人もいるかもしれません。私も、書き直しが必要な手帳にはフリクションボールペンを使っています。しかし、フリクションは、メインにするには書き心地も発色も酷く、インクの減りが異常に早いので、正直メインとしてはまともに使えるレベルではありません。

私は、高校生の頃からボールペンでノートを取っていましたが、大学以降は完全にサラサだけを使ってきました。司法試験受験中は、サラサの黒の替芯を何本買ったか分かりません。

今は、サラサの中でも、既に廃番となってしまったサラサ3+Sという多色ボールペン(黒・赤・青の3色+シャープペンシル)を使っています。緑は要らないがシャーペンはたまに必要になるので、これが最適なのです。ゼブラさんには、是非ともサラサ3+Sの復刻をお願いしたいと思います。

通帳と給与明細は大切に

法律トラブルは、大抵の場合お金が絡みます。そんな時、通帳と給与明細は大切です。大切なのに、捨てちゃう人、多いです。

債務整理はもちろん、事故、相続、離婚、労働関係などなど、あらゆる問題で、資産状況やお金の流れを把握するために、通帳と給与明細が必要となる場面が出てきます。しかし、数か月以上前の給与明細や、記帳欄がいっぱいになって使わなくなった通帳だと、捨ててしまっている人が結構います。

実際、無ければ無いで対応できるのですが、どうしても事件処理が遅れます。具体的には、通帳が無いと銀行に取引履歴の開示請求をしないといけませんが、開示されるまでに3~4週間かかったります。それだけ時間の無駄になります。あとは、年金消失問題で見たように、どうにもならなくなる場合もあります。

通帳も給与明細も、最低限2年分は保管しておくべきです。それ以前の分も全て保存しておくのが理想ですが、スペースの問題もあるので、必要になることが多い直近2年分を保管しておくのが適当だと思います。

事務員にこそ丁寧に

弁護士の事務所はほとんどの場合、弁護士以外に、事務作業をしてくれる事務員さんが働いています。日本では、いわゆるパラリーガルと一般事務員とがあまり分離していないので、この事務員さんの能力は事件の処理効率にも大きく影響します。一般事務の部分だけ見ても、事務員さんがいなくなったら途端に仕事が回らなくなる、という事務所が多いと思います。

ところが、悲しいことに、事務員に対して横柄な態度をとる人が結構います。弁護士は事務員に敬意を払いこそすれ、下に見るということはないので、事務員に対する態度が悪い人には、良い印象を持ちません。たとえばそれが相談者なら、「この人は厄介な人なのかな。受任は慎重に考えよう。」と思ってしまうかもしれません。受任後でも、事務員が不満を抱く相手と円滑にやり取りするのは難しいので、事件処理に悪影響が及びかねません。

勝手な区別で態度を変えないというのは、一般社会で当然に求められるマナーでもあります。トラブルの解決を求めて行く法律事務所でそのマナーを破るのは、リスク以外に得るもののない行為です。

法律事務所を利用する方は、事務員さんにこそ丁寧に接しましょう。

家計簿は面倒だが役に立つ

債務整理案件でよく思うのが、「みんな家計簿つけた方が良い」ということです。

消費者金融からの借金が返せずに相談に来る人の多くは、自分の家計の収支が分かっていない、という人が少なくありません。そういう人は、根本的に金銭感覚が緩くて、「今返せているから大丈夫」的な思考をずっと続け、ちょっとした出費・減収で返済不能に突入していくのがパターンです。「今返せている」人はまだ良い方で、中には、就職だの事業の成功だの、未来の不確定要素を前提にしている人もいます。

破産案件では、必要書類として簡単な家計簿をつけてもらいます。世の中に家計簿をつけている人はたくさんいると思いますが、破産の依頼者で「あ、家計簿ならつけているので今すぐ全部記入できますよ」なんて人は一人もいません。そういう人はそもそも自己破産するようなことにならないのでしょう。

家計簿をつければ、収支バランスも分かるし、自分の消費傾向や無駄遣いも可視化され、各固定費を把握することができます。そして何より、家計簿をつけるという行為自体が、お金の使い方を意識するということに繋がります。正直面倒ではありますが、こと金銭管理の観点からは家計簿は非常に有用なので、お金の心配がない人も、是非導入してみてほしいと思います

学校は、義務教育中に家計簿のつけ方を教え、歯磨きと同じくらい習慣化させるべきだと思います。親だったら、自分の給与明細や各支出の明細を見せ、(子供自身の小遣いではなく)家庭の家計簿を子供につけさせてみた方が良いと思います。若いうちに、金銭に対する正しい認識とシビアな感覚を身につけておけば、少なくともクレサラで破産という悲しい結末は避けられるのではないかと思います。

なお、Excelが使える人は、Excelで管理すると年間の統計や資産管理もできて便利です。

腕時計は日付と曜日が分かるものを

私が使っている腕時計は、シチズンアテッサAT6010-59Eという製品です。

腕時計というのは、値段はピンキリ、用途も実用からファッションまで色々で、非常に好みの分かれる商品です。なので、どんな時計が良いか、という問いの答えとしては「好きなものを」が正解なわけですが、敢えて「弁護士業務における実用性」という観点から述べると、日付と曜日が表示されるものを選ぶべきだと思います。表示方法は何でも良いのですが、個人的にはクロノグラフではなく視認性の良い小窓表示タイプが好きです。

なぜ日付と曜日が必要かというと、留置施設でよく使うからです。基本的に弁護士は期日を気にして活動する職業なので、日付は常に確認できた方が良いのですが、特に留置施設では、接見や差入れをする際に毎回、年月日・曜日・時間を書く必要があります。

「携帯で確認すればいい」という意見も当然あるでしょうし、それで良いと思う人は特に問題ないと思います。ただ、「左手首に視線を移す」のと「ポケットから携帯を出しボタンを押す」のとでは、意外と手間の差があると私は感じています。

あくまで個人的意見です。ご参考までに。

全角英数字の憂鬱

法律文書は、英数字でも全角で表記するのが割と一般的です。むしろ、全角表記が標準です。

私は元々、「英数字を全角で打つなんて気持ち悪くて無理」という人間でしたし、別に英数字を半角にしたからといって書類の形式上問題があるわけでもないので、半角にしようと思えばいつでもできます。しかし、実際に弁護士として働きだしてから、数字については全角で打ってしまうことが多くなってしまいました。理由は2つです。

全角の方が読みやすい

理由の1つ目。法曹界の紙文化に由来するところです。

法曹界は、圧倒的な紙文化です。依頼者や弁護士とのやり取りならともかく、裁判所や検察庁とのやり取りは、基本的に紙でしかできません。一見不合理にも見えますが、セキュリティの問題に加え、長期間確実に保存しなければならないという特性上、紙での保存はむしろ合理的なのです。そのため、今後も紙文化は変わらないと思われます。

このように、データでなく印字されたものを扱うことが原則になるため、少し大きくなる全角数字の方が、視認性が高いのです。

雛形の修正が面倒

理由の2つ目。私が勤務弁護士(いわゆるイソ弁)であることから生じる問題です。

私が書面を起案するとき、ほとんどの場合、事務所で管理されている文書の雛形や、過去の書面データを流用します。しかし、それらのデータで使用されている数字はほぼ全角数字となっているので、それを修正するのが面倒になってくるのです。自分の好みで勝手に雛形を修正するわけにもいかないので、次第に全角数字のまま使うようになってきました。

半角にする必要性は?

本気で半角に統一しようと思えばいつでもできるのですが、ここまで考えてくると、逆に「半角英数字にするメリットって何?」となってきます。スクリプトやエクセルのデータなど、数字と数値の区別が必要な場合ならともかく、最終的に印刷物としてしか利用しない法律文書においては、全角だろうが半角だろうが「見た目」以上の違いはありません。

つまり、英数字を半角にするメリットは特にないということになります。個人的には、全角英数字がまかり通っている最大の理由はここにあると思っています。

法律文書に限っては、全角英数字を使うこと自体は有益だったりするのです。